はしがき:

  〔第4版〕はしがき

  本書〔第3版〕が刊行されてから十年が経過し、その間、増刷りのたびに若干の補正をしたが、このたびさらに法令の改廃などによる補正を加えるため、〔第4版〕を出すことになった。新たに書き加えたところとして一番大きいのは、EUの機構をリスボン条約に従って書き直した箇所であるが、そのほか二十数か所にわたって補正を加えることができた。この点で、熱心な読者による間違いの箇所の指摘に感謝したい。その他、専門の分野での高見進・松久三四彦両教授のご教示に感謝したい。なお今回の改訂に際しては、悠々社社長の須藤忠臣さんに特別のご配慮をいただいた。
 本書の初版が出たのは一九七九年なので、それから三五年が経過した。本書がこれほど長く生命を維持するとは思ってもいなかった。多くの読者の方に感謝するとともに、本書もできる限り多くの読者に読んでいただければ、これにすぎる幸いはない。
         二〇一五年一月                    札幌にて   五十嵐 清

 

 〔第3版〕はしがき 

  本書の〔新版〕が刊行されてから、三年近くが経過したにすぎないが、この間に進められた司法制度の改革、とくに法科大学院の設置と裁判員制度の導入はめざましいものであり、〔新版〕の内容の多くが時代遅れとなった。また、二〇〇四年に実現した現代語化のための民法の改正によって、本書で引用した民法の規定の全部を書き換えなければならなくなった。そこでこの〔第3版〕においては、民法改正に対応したほか、司法制度改正の成果についても、可能な範囲でとりいれるように努めた。もちろんその全貌を明らかにするのは将来のことであり、ここではさしあたりの叙述にとどめてある。この程度でも、本書について再考の機会を与えられたことを感謝したい。読者諸兄姉に、本書に存する不十分なところを遠慮なく指摘していただければ、つぎの機会に生かすことができるので、よろしくお願いする次第です。
        二〇〇五年五月

 二〇〇七年六月の第二刷および二〇一〇年三月の第三刷にあたって、「法の適用に関する通則法」や裁判員法の施行等に伴う最小限の補訂および文献の補充を行った。                                        
                                                       札幌にて   五十嵐 清

 


 〔新 版〕はしがき

  本書の旧版は、二〇年前に、私の講義を聞く学生のために、一粒社より出版されたものだが、思いがけなく多くの先生方により、法学の教科書として採択され、毎年のように重版を重ねて、今日にいたっている。その間、重版のたびごとに、法令の改廃や判例の変更などにより必要となった補正を加え、また、参考文献を追加して、何とかしのいできたが、それも限界に達したので、出版社の了解をえて、新版を出すことにした。 
旧版は、法の意義、法源、法の解釈など、法の基本問題を中心とする・法学入門・型の法学の講義をめざすものであり、新版でもその特色を維持するようにつとめた。それにしても、学者としての円熟期に書いたものを、老境に入ってから改訂することは、一種の冒険である。そこで、今回の新版刊行にさいしては、基本的なところはそのまま残し、最小限度の補正にとどめることを方針とした。新たな項目としては、・法と宗教・と・隣人訴訟事件・を加えたが、これらは、私自身の法学の講義では、かなり前からプリントを配布して論じていたものである(その代わり、紙数を増やさないため、・尊属殺の問題・などを削除した)。本来なら、もっと新しい素材を増やすべきかと思わないでもなかったが、それは講義担当者にお任せして、本書では古典的な問題を中心とした。
 
  本書はもっぱら講義用の教科書として書かれたもので、学界に発言をする意図をもたなかったのだが、若干の研究論文で引用され、批判の対象ともなった。新版では、不充分ながらこれらの批判を考慮して、書き改めたところもある。なお、旧版の執筆にさいしては、とくに、田中英夫・実定法学入門・(東大出版会)、米倉明・法学入門・(東大出版会)、碧海純一・法哲学概論・(弘文堂)に負うところが多かったが、新版では、法哲学の新たな情報について、主として田中成明・法理学講義・(有斐閣)を参照した。それぞれ感謝したい。
 本書の新版刊行にさいしては、一粒社編集部の竹田康夫さんのお世話になった。その綿密な本作りに深く感謝したい。ところで、本書の出版元であった一粒社がこのたび廃業し、本書の継続が不可能となり、途方にくれていたところ、旧知の悠々社の社長・須藤忠臣さんから救いの手が差し伸べられ、今後は同社から継続出版されることになった。須藤さんに心からお礼を申し上げたい。本書は、私にとって、主著のひとつなので、今後も読者のご批判をえて、再考の機会が与えられれば幸いである。
     二〇〇二年九月                              札幌にて   五十嵐 清

 

     

  

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