刊行にあたって

 

 

 

 本書『証拠収集の現状と民事訴訟の未来』は、関東十県会の夏期研究会における基調講演小林秀之教授とパネリストの手による成果物である。
 関東十県会は、静岡、神奈川、山梨、長野、新潟、栃木、茨城、千葉、埼玉、そして群馬、計10県の弁護士会で構成する組織団体である。
同じく東京高等裁判所管内にある東京三会とは一味違う、関東を構成するメンバーとして、地域からの提言を行ってきた。その提言発表の場が、毎年1 回開催される夏期研修である。
 群馬弁護士会は、平成28年度夏期研究会にあたり、『立証の実務──証拠収集とその活用の手引〔改訂版〕』を刊行し、立証に関わる問題を取り上げ、弁護士が基本的証拠をどのように取得するかなど立証のポイントをまとめた。
 上記図書『立証の実務』が弁護士実務の中での実践であるなら、本書『証拠収集の現状と民事訴訟の未来』は、弁護士実務の将来の姿を描いたものである。
 弁護士の大量増員により、日本の司法の将来像が描けない状況の中にあっても、我々は、次代を担う若手の法曹を育て、市民に身近で信頼される司法をつくっていかなければならない。本書『証拠収集の現状と民事訴訟の未来』は、民事裁判における証拠収集分野に対する未来であり、その学びの一助となるものである。本書では、「証拠収集方法の拡充」に向けた立法提言や、「ドイツにおける証拠収集手続、特に査察手続とその運用」についてわが国に導入する可能性などが取り上げられ、将来のあるべき民事裁判・証拠収集などが検討されている。
 関東十県会で脈々と続けられてきた夏期研修と書籍の刊行が、若手弁護士のOJT(On-the-Job-Training)となり、今後も後輩会員に受け継がれ、益々成果を上げることを願ってやまない。
 本書の執筆を担当された小林秀之教授をはじめとするパネリストの先生方、そして群馬弁護士会関東十県会夏期研究会準備委員会委員、また出版の労をとっていただいた悠々社の関係者各位に深甚なる謝意を表する次第である。

 

 平成29年2 月


群馬弁護士会    
会長 小此木 清 

 

 

 

 

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