〔第4 版〕はしがき

 

  2014年(平成26) 6 月、会社法の一部が改正され、2015年(平成27) 5
月1 日から施行されることとなった。この改正により、監査等委員会設置会社の新設、社外役員の資格要件の厳格化と一部緩和、株式等売渡請求制度の新設、仮装払込規制の新設、多段階に及ぶ特定責任追及訴訟(いわゆる多重代表訴訟)制度の新設、株式の併合の整備、支配株主の異動を伴う募集株式等の発行手続の新設、詐害的な会社分割に関する制度の整備、組織再編等における株式買取請求手続の整備と差止請求権の拡充、特別支配株主の株式等売渡請求制度の新設と全部取得条項付種類株式の取得規定の整備などが行われた。2005年(平成17)の会社法制定以来の、社会・経済の変化やグローバル化に合わせた大幅な改正である。
 これらの改正の中で、例えば、監査等委員会設置会社のように、その導入が本当に必要であったか疑問を呈したいものもある。せめて呼び名だけでも「監査等委員会設置会社の監査等委員会と指名委員会等設置会社における監査委員会と監査役会との違いは……」などというお経のような説明をしなくても済むよう、「三委員会設置会社」「一委員会設置会社」というようにシンプルなものであったなら、学習者はもちろん、教える側にとっても、言い間違い、書き間違いがなく気がラクであったのにと、恨みがましい気持ちになる。
 ともあれ、第4 版では、複雑で細かな改正法をわかりやすく説明することに意を払い、なるべく具体例や図解を盛り込むようにした。判例も大幅にアップデートし、再審の重要判例をできる限り詳しく載せた。さらに、本文も見直し、わかりやすい解説に書き改めるとともに、参照頁(→第頁)の記述を充実させた。参照頁をうまく使いながら学ぶことで、会
社法の理解がより深まると、筆者は確信している。
 本改訂版の刊行にあたっても、悠々社の須藤忠臣社長に多大なご協力を頂いた。厚くお礼を申し上げたい。  

 

2016年3 月9 日
木俣 由美
 

 

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